島倉二千六さんのお仕事は、広大な特撮セットに空、街、森を出現させて現実的な空間を創り出し、その映像に圧倒的な存在感をもたらすという素晴らしいものです。全くもって稀有な才能であり、映像世界での人間国宝レベルの方です。
この度の背景画をデジタル化する事で、その技術により描かれた仕事を後世に長く遺せる事業には、相当の価値があると思っています。
引き続き、可能な限り遺して行きたいと思います。
よろしくお願い致します。庵野秀明
特定非営利活動法人アニメ特撮アーカイブ機構(ATAC)理事長/特撮ファン
背景画の専門家であり「雲の神様」と称される島倉二千六氏が描いた背景画の数々が、当センターに収蔵され、その一部が一般公開されています。
当センターが参画・協力する「日本特撮アーカイブ」の2024年度の活動で、これら背景画の調査と保存(デジタルデータ化)が実施されました。 前編では本事業の概要と成果について、続く後編 では調査・研究のご報告をします。
【現在は本ページで掲載している背景画の一部および背景画デジタルデータの一般公開は行っておりません】
1. 日本特撮アーカイブについて
「日本特撮アーカイブ」の活動は、特撮に関する中間制作物や資料の保全を第一の目的としています。
この取り組みは、文化庁メディア芸術情報拠点・コンソーシアム構築事業で2012年度に行った調査研究からスタートし、特撮に関係する制作関係者や有識者などによって特撮の文化的価値の検証や、特撮に関する情報や文献の整理・体系化を実施してきました。2017年度からは文化庁メディア芸術アーカイブ推進支援事業の助成を受け、資料の保管・修復のための様々な活動を行っています。須賀川市は、2021年度より、須賀川特撮アーカイブセンターに収集保存した資料の調査などを通して「日本特撮アーカイブ」へ参画・協力しています。